外反母趾(がいはんぼし、Bunion)は、足の親指が外側に偏位し、親指の付け根の部分に骨の隆起ができる状態を指します。この状態は、通常、足のアーチやバランスの問題から発生し、時間が経つにつれて進行することがあります。
足は、28個(片足)の骨と靭帯、腱で繋がっていて、その間を筋肉で構成されています。
また、足には、アーチ構造(内側縦ターチ、外側縦アート、横アーチ)があり、地面からの衝撃吸収、全身のバランス保持の役割を持っています。
このアート構造が崩れると様々な障害が発生します。この崩れる要因のひとつが「外反母趾」です。
遺伝的要因:家族に外反母趾の人が多い場合、発症リスクが高まります。
靴の選択:不適切な靴(特に、女性の狭い先端や高いヒールの靴)を履くことが、親指の変形を引き起こすことがあります。
足の解剖学的要因:扁平足や高アーチなど、足の形状が外反母趾のリスクを高めることがあります。
筋肉の不均衡:足の筋肉や靭帯の不均衡が、親指の位置に影響を与えることがあります。
痛み:親指の付け根や足の内側に痛みを感じることがあります。特に、靴を履いたときに痛みが悪化することがあります。
腫れ:親指の付け根が腫れたり、赤くなったりすることがあります。
変形:親指が外側に曲がり、隣の指との間に隙間ができることがあります。
靴のフィッティングの問題:狭い靴や先端が尖った靴を履くのが困難になることがあります。
正常:~15度未満
軽度:15度~20度
中等度:20度~40度
重度:40度以上~
医療面接:症状や既往歴を確認します。
身体検査:足の形状や痛みの部位を評価します。
画像診断:X線を使用して、骨の変形の程度を確認することがあります。
靴の調整:幅が広い靴や、足の形に合った靴を選ぶことで症状を軽減します。
足底板やインソール:足のアーチをサポートするためのインソールを使用することがあります。
冷却療法:腫れを軽減するために、アイスパックを使用します。
痛み止め:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを使用して痛みを軽減します。
理学療法:足のストレッチや筋力トレーニングを行うことで、筋肉のバランスを改善します。
保存療法で改善しない場合、手術が検討されることがあります。手術では、骨の位置を修正したり、余分な骨を除去したりすることがあります。
外反母趾の予後は、早期の診断と適切な治療によって改善することが可能です。軽度の症状の場合は、保存療法で十分な改善が見込まれますが、進行した場合は手術が必要となることがあります。再発を防ぐためには、適切な靴選びや足のケアが重要です。