肩関節の可動域が制限され、痛みを伴う状態を指します。正式には「肩関節周囲炎」または「凍結肩」とも呼ばれ、肩の関節包が炎症を起こし、硬くなることで発生します。
炎症: 肩関節周囲の組織が炎症を起こし、関節包が厚く硬くなることが一般的です。
外傷: 肩の怪我や手術後に動かさなくなった場合、拘縮が起こることがあります。
糖尿病や甲状腺疾患: 特に糖尿病患者に多く見られることがあります。
痛み: 肩の痛みが徐々に増加し、特に夜間や運動時に悪化することがあります。
可動域の制限: 肩を上げたり、外側に動かしたりすることが困難になります。
こわばり: 肩周りの筋肉や関節が硬く感じられることがあります。
医療面接: 症状や発症の状況について医師が確認します。
身体検査: 肩の可動域や痛みの状態を評価します。
画像検査: X線やMRIを用いて他の疾患を除外することがあります。
保存療法: ストレッチやリハビリテーションが行われ、可動域の改善を目指します。
痛みの管理: 鎮痛剤や抗炎症薬を使用して痛みを軽減します。
関節内注射: ステロイド注射が行われることがあります。
拘縮の状態が、保存的加療(運動療法など)で改善されず、可動域制限が日常生活に困る方に対して行われる手術です。重度の拘縮の方で、特に外傷や糖尿病合併の方に行われます。
図1は関節窩と関節窩に付着する靭帯、関節唇の解剖イラストです。
図2に示すように、手術では、関節鏡視下で関節唇の縁の関節包を切離していきます。前方や下方などの関節包を切り離すと可動域は改善していきます。
しかし、術後のリハビリは必要であるのは言うまでもありません。
肩を動かすこと: 肩の運動を定期的に行うことで、拘縮を防ぐことが重要です。
適切な治療: 肩に痛みや違和感がある場合、早めに医師に相談することが大切です。
拘縮肩は、肩関節の炎症と可動域の制限を伴う状態であり、適切な治療と早期の対処が重要です。
リハビリテーションや運動を通じて、肩の可動域を改善し、日常生活における快適さを取り戻すことが目指されます。